Alaska 7. (無人・無臭)
氷河で印象的だったこと.
いろいろあるけれど、

今までに行ったどの土地とも違っていたこと
それは 無人・無臭 だったこと.

たとえば、アジアの雑踏は強烈な匂いがする.
街全体が臭い.
それは生活臭で、人間臭さだ.
市場に行けば、腐りかけた肉の発する強烈な匂いに出会う.
スーパーでパック詰めの肉を買う日本では出会えない匂い.

ところが、氷の世界では
自分の排泄物でさえ凍ってしまって匂いを発しない.
無機質な世界.

 + + + + + +

匂いが記憶に結びついていることがよくある.
匂い自体は特別なものではなくても、
ある匂いで思い出す景色とか.

アラスカは匂いの記憶が乏しい.
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05/27. 04:05 [ Alaska ] CM0. TB0 . TOP ▲
Alaska 6. (スケール)
「スケールがつかめない」 何度か、この話題になった.

日本とは、かけ離れた環境にいる.
たとえば一番寒いときで -40℃まで気温が落ちる.
それでも 2・3日生活していると
なんとなく慣れた気がしてしまう.
目に映る景色も同じだった.

そんな中で、ふと遠くの山を眺めたときに
その壮大さに愕然とする瞬間が何度もあった.
でも、どれくらい壮大なのか、それがつかめない.
圧倒されるばかりなのだった.

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向こうに見える山は 実は何十kmも離れている.
自分が立っている足元から氷河の底まで1kmの深さがある.
右手に見える岩はその雪面から2kmの高さがあるそうだ.

 + + + + + +

毎晩オーロラを見ていた僕らは
オーロラが出現する範囲や、
光の位置が高いときは オーロラが近いと感じることなど
だんだんオーロラのスケールを感じ取ってきていた.

オーロラは 極圏に輪を描くように現れる.
だから 今見えている光の幅が
極圏の幅に置き換えられるなら、

地球のスケールをイメージできる気がした.
水平線がゆるい曲線であることを 
自分の目で確かめるような感動だった.

今回のキャンプで、カーテン状のオーロラは見ることができたけれど、
もっと真下とか近くからオーロラを見てみたいと思った.


05/19. 22:53 [ Alaska ] CM0. TB0 . TOP ▲
Alaska 5. (トレッキング)
キャンプ中3回トレッキングに行った.
3回目はロッククライミング的なこともやった.

クロスカントリースキーを履き、
ハーネスという登山道具を身につけ、
命綱で前後の人とつながりながら
1回4時間前後の雪の世界の散歩.
CA280129.jpg 前

CA280133.jpg 後ろ

天気がすごく良くて、最高だった.

準備をしているとき、
ガイドの Tim にピッケルの数を聞こうとしたら、
Tim にはピクルスの数に聞こえたらしい.
で、
ケチャップもね」って返された.
そんなやりとりも楽しかった.
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ルース氷河の入り口まで歩いた.
そこに行くと、氷河全体の流動方向が確認できて、
自分たちがいるのが、ただの雪原ではなくて
氷河の一部であることがイメージできた.

空気が爽快で
「120% 満足だ.ありがとう.」って言ったら
Tim も「そーだな!こっちこそ!」って笑ってくれた.
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Hi Tim !

もう一度言うけど、世界がほんとに白い
ペンキのような真っ白な色って
自然界に他にあるのだろうか?
色が 不自然なくらい純粋に感じていた. 
雪原が滑らかに続いている..
そして控えめにキラキラしている.

黙々と歩いた.
その間、何も考えていなかったように思う
少なくとも、思い出せない. 

運命共同体.同じ生活を共にしているということ以上に
実際にロープでみんなとつながっている.
Tak さんが「All or Nothing」じゃなくて「Nothing is All」だって思うんだ
って言ってた、その意味がわかる気がした.

グローブを外したときに、
ふと 自分の手を見たら
それがこの世界に合わない奇妙なものに見えた.

山小屋に帰ると
ホットココアが待っていて、
ほどなく夕飯になるのだった.


05/17. 18:58 [ Alaska ] CM0. TB0 . TOP ▲
Alaska 4. (小屋の生活)
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昼は遊び、夜はオーロラを待った.
だから、1日は すごく短かった.

睡眠時間は短く、
連続で4時間以上寝てないんじゃなかろーか?
ほんとに 寝ているのがもったいなかった.

オーロラに備えて仮眠を取っていたので
昼と夜の両方を生きていた感じ

トイレがもう、贅沢だった!
100% 外で済ませた.
昼は青空の下 夜は星空の下
すんごい開放感!!
日本でもアメリカでも、
キャンプ場にはトイレがあるものなので、
こんな経験は初めてだったかもしれない. 

食事は驚くほど充実していた.
きっとそのせいで下界を遠ざけていた.
食事に満足していなかったら、
下界が恋しくなることもあったのかも、
 いやそんなことないか・・?

肉、野菜、共に充実していて、
オレンジやお菓子類も十分だった.
夕食にはカレーやパスタなど、毎晩違うメニューを食った.
朝は ベーコン・チーズ・ベーグル・たまご焼・コーヒー・
バター・蜂蜜・トースト・オレンジ・ブルーベリー 等々が並び、
自分でサンドイッチを作った.

ガイドの Amy も
「こんなに食べ物が豊富なのはこのキャンプだけ」
って言ってた.
普通はドライフードばかりなんだそうな.

 + + + + + +

トレッキングから帰ってきて、
夕飯を食う.
よく笑い、腹は満たされ、心地よく疲れていて、
その晩のオーロラを期待している..

小屋の真ん中のストーブに薪をくべている..

せまい山小屋で、Amy のラジオから
カントリーミュージックが流れてる..

ガイドの山男と、中学生の野球少年と話す.
夜中に、ギターで即興コンサートをやったりもした.
そんな生活が 
ほんとに楽しかった.

もっと氷河に長く居たい、という思いも確かにあったけれど、

本来人が住めないあの場所に 長い時間留まれないのは
すごく自然なこととして納得していた.




05/12. 10:29 [ Alaska ] CM0. TB0 . TOP ▲
Alaska 3. (オーロラ!オーロラ!オーロラ!!)
さて、苦労してテントを張り終えた頃、
日は暮れて、
山小屋では夕飯の準備ができていた.

2006. 3. 25 日没後

キャンプ初日の夕飯は石狩鍋と決まっているらしい.
これが うまかった!!

山小屋は6角形で、
16人も入れば身動きがとれないくらい.
中心にある薪ストーブに火をいれて、
小屋の中は暖かく、
雪を溶かした水を沸かしている.
みんな顔が”生き活き”としている.

 + + + + + +

外は、満天の星空だった・・・

もう 言葉にならない..
いや、叫んでた.
「すげえ!! すげーなあ!! *****!!!」

叫んでいた.

星が明るすぎて(新月だった)
山々の輪郭が浮かび上がっている.
無数の星の海の中で
北斗七星がくっきり明るく、かっこいい.
北極星が、ほんと高い.
ほとんど天頂近くにある.

みんなで防寒着を着込んで、
オーロラを待った.

2006. 3. 26 am 3:00

北の空がぼんやり明るくなっている..
Aki.が 「あれオーロラじゃねえ?」
て言った.自分はにわかに信じられず、
何だろーね
 なんて言ってたら、
WILL さんが、「お、出てるじゃないオーロラ」
って、
 ええっ!?!!


みるみるうちに 光は水平に伸び、
真北のあたりで縦に伸び始め、東の空にも光が現れた.
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(撮影 WILLさん)
光はうねりながら進み、
やがて北の光と東の光がつながった!!
そして、カーテン状の巨大なオーロラとなって
北から東にかけての山々の向こうで光を放っていた.
はじめて見る その姿に

Nat.は「なんだか怖い」って言った.

俺はもう、大興奮で 「すげえっ!!」てどれだけ叫んだことか、
DSC_0135.jpg
(撮影 WILLさん)

オーロラは、写真やビデオで見て知っている姿と
実際に目で見る姿とでは違っていた.
まさに Northern Lights だと思った.


 + + + + + +

興奮してずっと外で空を見ていたのだけど、
(途中、山小屋で暖をとったりしつつ)
さすがに疲れ、辺りも明るくなり始め、
テントにもぐり込んだ.

横になったとき、
「デナリが赤くなってる!!」って声が聞こえた.
でも もうシュラフに入ってしまった..
他の2人を起こしてしまう..
なんて思っていたら、
Tak.さんが
ほんとだ すっげーっ !!

思わず起き出してしまった.
デナリのあたまのあたりが
朝陽に染まっていた.
DSC_0156.jpg
(撮影 WILLさん)

ため息がもれる..

それからやっと、朝飯までの短い時間寝たのだった.

初日の晩に念願のオーロラを見てしまった!
そして、このキャンプは天気に恵まれ、
実に毎晩オーロラを見た.


04/23. 22:59 [ Alaska ] CM0. TB0 . TOP ▲